ダイカストの表面処理を徹底解説【めっき・化成処理・塗装・ショットブラストの違い】
中津工業株式会社では、亜鉛ダイカストおよびアルミダイカストの製造を行っており、金型設計から量産まで一貫して対応しています。
ダイカストは金属そのものの強度や寸法精度に優れた工法ですが、製品としての耐食性・外観・機能性を高めるためには「表面処理」が欠かせません。
今回は、ダイカスト製品によく用いられる代表的な表面処理について、それぞれの特徴と使い分けをご紹介します。
この記事では、以下の内容を詳しくご紹介します:
- 表面処理が必要な理由
- ショットブラスト
- めっき
- 化成処理(クロメート)
- 塗装
- アルマイト(アルミダイカストのみ)
- 亜鉛・アルミでの違い
表面処理が必要な理由
ダイカストは金型で成形したままの状態(鋳肌)では、表面に微細な凹凸や巣が露出していることがあり、そのままでは十分な耐食性や外観品質を確保できない場合があります。
表面処理を行うことで、
- 耐食性の向上(錆・腐食の防止)
- 外観性の向上(光沢・色調・質感の付与)
- 機能性の付加(導電性、絶縁性、摺動性など)
- 後工程(塗装・印刷・接着など)の密着性向上
といった効果が得られます。製品の用途や使用環境に応じて、適切な表面処理を選定することが重要です。
①ショットブラスト
ショットブラストは、製品表面に細かい粒(投射材)を吹き付ける加工方法です。ダイカストでは主に、バリ取りや湯じわ取り、表面の粗さ調整(梨地仕上げ)の目的で使用されます。
また、めっきや塗装の前処理として行うことで、後工程の密着性を高める役割も担います。薄肉製品の場合は、歪みが発生しないよう投射条件を調整する必要があります。
ショットブラスト後にめっき処理を行うことで、通常のめっき品のようなピカピカな見た目とは異なり、下の画像のようなマットな「梨地めっき品」にすることができます。

②めっき
めっきは、製品表面に金属の薄い被膜を形成する処理です。代表的なものに以下があります。
- ニッケルめっき:耐食性・耐摩耗性の向上に広く使われる
- クロムめっき:装飾性の高い光沢や、耐摩耗性が求められる摺動部位に使用される
- 亜鉛めっき:亜鉛ダイカストに直接処理しやすく、コストを抑えやすい
亜鉛ダイカストはめっきとの相性がよく、直接めっきを施しやすいのが特徴です。
一方アルミダイカストは、素材表面に酸化被膜ができやすいため、めっき前の下地処理(化成処理など)を丁寧に行う必要があります。

③化成処理(クロメート処理)
化成処理は、薬剤を使って金属表面に化学反応で薄い被膜を形成する処理です。ダイカストでは「クロメート処理」がよく用いられ、以下のような目的で使用されます。
- 単独での防錆効果の付与
- 塗装前の下地処理としての密着性・耐食性の向上
環境規制の観点から、現在は六価クロムを含まない「三価クロムクロメート」や「ノンクロム処理」が主流です。
④塗装
塗装は、外観性や耐食性をさらに高めたい場合に選ばれる処理です。ダイカストでは主に以下の方法が使われます。
- 粉体塗装:粉末状の塗料を静電気で付着させ、加熱して焼き付ける方法。膜厚が均一になりやすい
- カチオン電着塗装:電気の力で塗料を均一に付着させる方法。複雑な形状にもムラなく塗装しやすい
- スプレー塗装:液体塗料を吹き付ける一般的な方法。色や質感のバリエーションが豊富
塗装前には、化成処理やショットブラストによる下地処理を行うことで、塗膜の密着性と耐久性を高めます。

⑤アルマイト(アルミダイカストのみ)
アルマイトは、アルミニウムを電気分解によって酸化させ、表面に酸化皮膜を形成する処理で、アルミダイカストに固有の表面処理です。
耐食性・硬度の向上や、絶縁性の付加といった効果が期待できますが、ダイカストで広く使われるアルミ合金(ADC12など)は、他のアルミ材料に比べてアルマイトが付きにくい性質があるため、事前の試験・確認が重要になります。
亜鉛とアルミでの違い
| 表面処理 | 亜鉛ダイカスト | アルミダイカスト |
|---|---|---|
| めっき | 直接処理しやすい | 下地処理が必要な場合が多い |
| 化成処理 | クロメート処理が一般的 | 化成処理(アロジン処理等)が中心 |
| アルマイト | 非対応 | 対応可能(合金により難易度差あり) |
| 塗装 | 対応可能 | 対応可能 |
同じダイカストでも、素材によって適した処理方法や難易度が異なります。製品の用途・コスト・外観要求に応じて、最適な組み合わせを選ぶことが重要です。
中津工業の対応体制
中津工業では、表面処理に強みを持つ協力工場と連携し、めっき・塗装・ショットブラストなど幅広い表面処理のご要望にお応えしています。
鋳造から表面処理まで一貫してご相談いただける体制を整えているため、工程間の調整や納期管理もスムーズに進められます。
表面処理でお悩みの方、どの処理が適しているか分からないという方も、お気軽にご相談ください。
まずはお気軽にご相談ください!
参考:めっき処理についてさらに詳しく知りたい方は、全国鍍金工業組合連合会(全鍍連)の公式サイトもあわせてご覧ください。 全国鍍金工業組合連合会(ぜんとれん)